MAを導入した会社の多くは、営業への通知やメール配信は運用できています。一方で、スコアリングやCRM・SFA連携を運用できている会社は3割以下にとどまっています。次に使い始める機能は、運用率が低いものから順に選ぶよりも、今つまずいているところに効く機能を1つ選び、その機能を回すために必要な社内の取り決めを先にそろえます。
MAには多くの機能がありますが、導入した会社がすべてを使えているわけではありません。どの機能が使われていて、どの機能が使われにくいのかを見ると、自社が次に使う機能を選ぶ手がかりになります。
本記事では、弊社がBtoB企業の480名を対象に行った調査のうち、MAを導入している134名の回答をもとに、運用できている機能の傾向、使われにくい理由、数字の読み方、次に使い始める機能の選び方を解説します。調査結果全体はMA活用の調査レポートにまとめています。
MAを導入した会社は、どの機能を運用できているのか?
営業への通知やメール配信のように、マーケティング担当者だけで始めやすい機能は、多くの会社で運用されています。一方、営業や他のシステムとの取り決めが必要な機能は、運用できている会社が少なくなっています。
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営業への通知・トスアップ:61.2%
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メール配信・ナーチャリング:56.0%
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リードスコアリング:29.1%
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CRM・SFA連携:23.1%
出典:弊社「MA活用実態調査(第0回)」。MAを導入している134名への複数回答で、運用できていると答えた割合です。調査主体:株式会社Sells up/調査ツール:Surveroid(2026年9月、n=480、導入者 n=134)。回答者の認識を集めたもので、業界の平均を示すものではありません。
同じ調査では、MAをフル活用できており、商談・売上に貢献していると答えた人は約3割でした。一部の機能は活用できていると答えた人は約6割で、導入した会社の多くは、一部の機能を使っている段階にあるといえます。
なぜスコアリングやCRM・SFA連携は運用されにくいのか?
機能の操作そのものが難しいというより、使い始める前に営業や他のシステムとの間で決めておくことが多いからです。主な理由は次の4つです。
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スコアリングは、何点で営業に渡すか、渡した後に営業がどう動くかを営業側と取り決めておかないと、点数を付けても使われない
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CRM・SFA連携は、項目の対応や、同じ情報が両方で更新されたときにどちらの値を残すかを決める必要がある
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配点を見直すには、受注したかどうかの記録がMAから見える必要があり、CRM・SFA連携が前提になる
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担当者が兼務で、取り決めや設定に使える時間が限られる
導入した会社が感じているつまずきとしても、社内にノウハウがない(39.6%)、営業との連携が取れていない(34.3%)、費用対効果が見えない(33.6%)が上位に並びました(導入者 n=134・複数回答)。機能の操作より、社内での取り決めやノウハウの不足がつまずきになっている様子がうかがえます。
運用率の数字は、どう読めばよいか?
運用率が低いからといって、その機能が不要だということではありません。読むときの注意点は次の3つです。
回答者の認識であり、使い方の深さは測っていない
「運用できている」は回答者自身の判断で、どの程度使っているかまでは測っていません。メール配信を運用できていると答えた会社でも、全員に同じメールを送っている場合と、相手ごとに内容を変えている場合が混ざっています。
成果との関係は相関であり、因果ではない
商談・売上に貢献していると答えた会社(42名)と、十分に活用できていないと答えた会社(92名)を比べると、スコアリングを運用している割合は40.5%と23.9%、CRM・SFA連携は33.3%と18.5%でした。ただし、これは両者の間に見られた関係であり、これらの機能を使えば成果が上がるという因果関係を示すものではありません。
仕組みがあるかどうかより、運用の差が出ている
営業への通知・トスアップは、貢献している会社で61.9%、十分に活用できていない会社で60.9%と、ほとんど差がありませんでした。通知の仕組みがあるかどうかより、渡したリードを営業がどう扱い、その結果をどう測るかで差が出ている可能性があります。
次にどの機能を使い始めるかは、どう決めればよいか?
今つまずいているところから逆算して、合う機能を1つ選びます。運用率の低い機能から順に増やしていくと、運用の取り決めが追いつかず、使われない設定が増えやすいためです。
| 今のつまずき | 次に使い始める機能 | 使い始める前に決めること |
|---|---|---|
| 営業に渡したリードが使われない | 営業への通知の見直し(渡す条件と伝える情報) | どの行動をしたリードを、誰に、いつまでに渡すか |
| リードが多く、誰から連絡すべきか分からない | リードスコアリング | 点数の付け方と、営業へ渡す点数の線 |
| 渡したリードが商談になったか分からない | CRM・SFA連携 | 連携する項目と、どちらの値を残すか |
| 全員に同じメールを送っている | セグメント配信 | 何を基準に分けるか(検討の段階・業種・役職など) |
| 施策の効果を説明できない | 効果測定・レポート | 何を成果とし、どの数字を毎月見るか |
リードスコアリングを次に使う場合は、配点の表を作る前に、営業へ渡す条件と、営業が見る項目を決めます。設計の手順と見直し方はリードスコアリングの設計の進め方で解説しています。
リードの優先順位の付け方はリードの優先順位を決める手順で、MAとCRMの導入の順番はMAとCRMをどちらから導入するかで解説しています。分けて配信する方法はセグメントメールの配信設計で扱っています。
使う機能を増やす前に、何を整えればよいか?
新しい機能を設定する前に、その機能で使うデータと、使った後の変化を確かめる方法を整えます。
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リードの重複や表記ゆれを整理しておく。重複が多いと、スコアやセグメントがずれやすい
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使い始める前の数字を残しておく。使い始めた後に何が変わったかを比べられるようにする
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一度に1つずつ増やす。複数の機能を同時に始めると、どの変化がどの機能によるものかが分からない
データの重複の整理はリードデータの重複を整理する手順で、集めたリードが商談にならない原因の見つけ方はリードが商談にならない原因の見つけ方で解説しています。LisCoreは、MAにたまったリードの行動から、いま連絡すべき相手を営業へ渡すために自社開発しているツールです。
使う機能を増やすことを急がなくてよいのは、どんな場合か?
今使っている機能の中に、まだ改善できることが残っている場合です。次のような場合は、機能を増やすより、今の機能の使い方を見直します。
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保有しているリードが少なく、営業が一件ずつ対応できている
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メール配信の内容や送る時期を、まだ一度も見直していない
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新しい機能の取り決めや設定に使える時間が、担当者にない
メール配信だけの運用を続けるかどうかは、配信後に営業へ渡す相手が増えているか、反応したリードのその後の行動を追えているか、配信内容を分ける理由があるかで見ます。どれも見えていない段階でスコアリングやシナリオを足すと、設定だけが増えがちです。まずは直近の配信を1本選び、開封・クリック・資料閲覧・営業接触の有無を並べてみます。人の手で対応する相手を選べるなら、機能を増やす前に配信の内容や渡し方を見直し、対応の漏れが出るようなら、通知や優先順位づけの機能へ進みます。
導入した機能をすべて使うことが目的ではありません。自社の営業の進め方に合った機能を、つまずいているところから1つずつ使い始めます。
HubSpotのデータから、今日連絡すべきリードを決めるには
LisCoreは、MAに蓄積されたデータを毎日解析し、その日にトスアップする相手を一覧にする自社開発のツールです。2026年11月2日からβ版を提供し、HubSpot Marketing Hubをお使いの企業さまを対象に10社限定で募集しています(募集は2027年3月末まで)。
デモを申し込む →まとめ
弊社調査では、MAを導入した会社のうち、営業への通知(61.2%)やメール配信(56.0%)を運用できている会社は多い一方、スコアリング(29.1%)やCRM・SFA連携(23.1%)は3割以下でした。運用されにくい機能は、使い始める前に営業や他のシステムとの取り決めが要る機能です。
数字は回答者の認識を集計したもので、成果との関係は相関にとどまり、因果関係を表すものではありません。運用率の低い機能から順に増やすのではなく、今つまずいているところに効く機能を1つ選び、必要な取り決めを先に整えます。
機能を増やす前には、データの重複を整理し、使い始める前の数字を記録して、一度に1つずつ始めます。こうしておくと、どの機能で何が変わったかを確かめながら進められます。
よくある質問
MAを導入したのにメール配信しか使えていません。問題ですか?
問題とは限りません。弊社調査でも、一部の機能を使えていると答えた会社が約6割を占めました。メール配信で成果が出ているなら、次は営業へ渡す条件や配信の分け方を見直すなど、今のつまずきに合う機能を1つずつ足していきます。
スコアリングは使わないといけない機能ですか?
使わなくてもかまいません。保有しているリードが少なく、営業が一件ずつ対応できる場合は、資料請求や問い合わせなど、特定の行動を条件に営業へ渡すだけでも運用できます。リードが増えて、誰から連絡すべきか迷うようになった段階で検討します。
調査の数字は、自社の目標にしてよいですか?
目標の値として使うことは勧めません。数字は回答者の認識を集めたもので、業種や規模、運用の深さは会社ごとに違います。自社が今どの段階にいるかを考える材料として使い、目標は自社の過去の数字と比べて決めます。
