ナレッジ 2026.10.31

HubSpotを使っているのにリードが営業に渡らないのはなぜか|件数と体制で見分ける

この記事を書いた人 株式会社Sells up 代表取締役 武田大 武田 大 株式会社Sells up 代表取締役

HubSpotを使っているのにリードが営業に渡らない原因の一つは、リードが増えたあとに「今日どのリードを営業に引き継ぐか」を選ぶ作業が、人の手に頼ったままになっていることです。HubSpotの設定を見直すだけでは解消しないことがあり、毎月の候補の件数、選定と連絡を担う人数、営業に引き継ぐ条件、引き継いだ後の結果の記録を見ると、自社がどの状態にあるかを見分けられます。そのうえで、引き継ぐ条件と対応期限、商談にならなかったリードの扱いを社内で決めます。

HubSpotを導入して1年以上が経ち、フォームやメール、ワークフローも一通り整っている。一方で、営業に引き継ぐリードの選定や、その後の対応状況の把握に課題を感じている企業もあります。

営業からは「引き継がれるリードが少ない」「どのリードから連絡すればよいか分からない」と言われることもあります。

こうした状態になっている場合、HubSpotの設定だけを見直しても、問題が解消しないことがあります。

原因の一つは、リードが増えた後に、「今日、どのリードを営業に引き継ぐのか」を選ぶ作業が、人の手に頼ったままになっていることです。

リードが少ないうちは、マーケティング担当者が一件ずつ確かめ、営業に連絡してもらうリードを選べます。しかし、リードが増えるにつれて、すべての行動履歴を確かめることは難しくなります。営業やインサイドセールスの人数が限られていれば、選定に時間をかけるほど、実際に連絡する時間も少なくなります。

また、ワークフローで通知を送る仕組みを作っていても、通知が多すぎれば営業は確かめなくなります。スコアの基準を決めていても、商談につながっているかを確かめなければ、営業への引き継ぎ条件は以前のままです。

HubSpotでリードを集める仕組みと、集まったリードを営業が扱う仕組みは、別々に考える必要があります。

本記事では、リードの選定や営業連携で起きやすい課題を整理したうえで、件数と営業体制から自社の状態を見分ける方法、社内で決めておきたいルール、HubSpotの標準機能で対応できる範囲を解説します。

リードの選定や営業連携では、どのような課題が起きるのか?

HubSpotの導入直後は、フォームを設置する、メールを配信する、リストを作成する、ワークフローで通知するといった設定が中心になります。

こうした設定が一通り終わると、リードの獲得やメール配信は一定のペースで進むようになります。しかし、運用を続けてリードが増えてくると、次のような問題が出てきます。

  • リードを見るのに時間がかかる: 新しく登録された人や、最近Webサイトを訪問した人が増え、どのリードから確かめるべきかを判断しきれない

  • 通知が多く、営業が見なくなる: ワークフローから通知は届くものの、連絡の優先度が分からず、次第に確かめられなくなる

  • 営業への引き継ぎ条件が合わなくなる: 導入時に決めたスコアや条件が見直されず、対象者が多すぎたり、反対にほとんど該当しなくなったりする

  • 営業に引き継いだ後の状況が分からない: 連絡したのか、商談になったのか、対象外だったのかがマーケティング側に戻ってこない

  • 担当者によって判断が異なる: 同じ行動をしているリードでも、担当者によって営業に引き継ぐかどうかの判断が変わる

これらは、HubSpotの機能が足りないから起きているとは限りません。

例えば、料金ページを閲覧した人を営業に通知するワークフローを作ったとします。設定自体は正しく動いていても、毎日何十件も通知が届けば、営業はすべてに対応できないかもしれません。

また、通知を受け取った営業が連絡しても、すでに他社製品を導入していたり、対象となる部署ではなかったりすれば、商談にはつながりません。その結果が記録されなければ、マーケティング側は通知条件を見直すこともできません。

このように、リードを集めること、営業に引き継ぐこと、営業が対応すること、その結果を次の選定に生かすことは、一連の流れとして考える必要があります。

弊社がBtoB企業でマーケティング・営業に関わる480名を対象に実施した「MA活用実態調査(第0回)」でも、営業への通知やトスアップの仕組みがあることと、営業との連携がスムーズに取れていることには違いが見られました。

MAを導入している企業の担当者134名のうち、MAが商談・売上に貢献していると答えた担当者(42名)と、そうでない担当者(92名)を比較すると、営業への通知やトスアップの運用がある割合は、それぞれ61.9%、60.9%でした。両者に大きな差はありません。

一方、「営業との連携がスムーズに取れている」と回答した割合は、貢献していると答えた担当者が78.6%だったのに対し、そうでない担当者は6.5%でした。

この調査結果だけで、営業との連携がMAの成果を生んでいると断定することはできません。ただ、通知の仕組みを用意するだけでは不十分であり、営業が引き継いだリードに対応し、その結果をマーケティングに戻せる状態が重要だとうかがえます。

出典:株式会社Sells up『MA活用実態調査(第0回)』。調査主体:株式会社Sells up/調査ツール:Surveroid(2026年9月、回答者480名)。詳細は調査レポートをご覧ください。

機能ごとにどこまで使われているかはMAの機能はどこまで使われているかで、リードが商談にならないときにどこで止まっているかの見つけ方はMAで集めたリードが商談にならないのはなぜかで解説しています。

毎日のリード選定が止まるのは、どんな状態のときか?

リードの選定や営業連携の課題を考えるとき、まず確かめたいのは、リードの件数と、それを選定・対応する人の数です。

ただし、登録されているリードの総数だけを見ても、判断はできません。過去に登録されたまま動きのないリードと、最近問い合わせやWebサイトの閲覧があったリードでは、営業に引き継ぐ候補としての意味が違うためです。

確かめたいのは、直近1か月に新しく増えたリードの数と、過去に登録された人のうち、最近何らかの行動があった人の数です。

そのうえで、次の6つを確かめます。

確かめる点 止まりやすい状態 確かめ方
リードの件数 営業が対応する候補が増え、毎日すべてを確かめられない 直近1か月の新規リード数と、行動があった既存リード数を確かめる
営業・インサイドセールスの人数 選ぶ作業と連絡する作業を同じ人が担当し、時間が足りない リードを見て選ぶ作業に1日何分使っているかを聞く
通知の量 ワークフローの通知が多く、営業が確かめなくなっている 通知件数と、実際に連絡した件数を比較する
引き継ぎ条件 条件が明文化されておらず、担当者によって判断が異なる 営業とマーケティングが同じ条件を説明できるか確かめる
見直す担当者 スコアや条件を確かめる人が決まっていない 最後に条件を見直した時期と担当者を確かめる
結果の記録 営業に引き継いだ後の状況が分からない 引き継いだリードのうち、連絡結果や商談化の有無が記録されている割合を確かめる

リードの件数が多いこと自体が問題なのではありません。

例えば、月に500件のリードが発生していても、営業とインサイドセールスの人数が十分にいて、候補の選定と連絡を分担できていれば、問題なく運用できる場合があります。

反対に、月に数十件しかリードが発生していなくても、担当者が一人でマーケティング業務と営業対応を兼務していれば、選定に時間をかけられないことがあります。

見るべきなのは、リードの件数と、選定・連絡に使える時間のバランスです。

件数と体制から、自社の状態を見分ける

確かめた内容をもとにすると、リードの選定や営業対応に関する課題は、大きく次の4つに分けられます。

1. リードが少なく、担当者が全件確かめられる

リードの件数が少なく、担当者が一件ずつ行動履歴を確かめられる状態です。

この段階では、無理に選定を自動化する必要はありません。まずは、どのような人が商談につながっているのかを確かめ、営業に引き継ぐ条件を決めることが先です。

2. リードは増えているが、選定に時間がかかっている

新規リードや既存リードの行動が増え、担当者がすべての履歴を確かめられなくなっている状態です。

この場合は、確かめる対象を絞る必要があります。例えば、対象企業の属性、直近の行動、閲覧したページなどを条件にして、営業が確かめる候補を一覧にします。

3. 営業に引き継ぐ候補は多いが、対応する人数が足りない

マーケティング側では候補を選べていても、営業やインサイドセールスがすべてに連絡できない状態です。

この場合、候補を増やすだけでは解決しません。営業が1日に対応できる件数を確かめ、優先順位を付ける必要があります。営業の対応能力を超えてリードを引き継いでも、未対応のリードが増えるだけです。

4. 営業に引き継いでいるが、その後の状況が分からない

営業に通知を送る仕組みはあるものの、連絡したか、商談になったか、対象外だったかが記録されていない状態です。

この場合は、リードを引き継ぐ条件を見直すための材料がありません。まずは、営業が対応結果を記録するルールを決める必要があります。

自社がどの状態に近いかによって、取り組むべきことは変わります。件数が増えているからといって、すぐに新しいツールを導入する必要はありません。まずは、どの作業に時間がかかっているのかを確かめることが大切です。

営業への引き継ぎ前に、社内で決めておきたい3つのこと

選定作業を自動化したり、HubSpotの設定を見直したりする前に、営業とマーケティングの間で決めておきたいことがあります。

特に重要なのは、次の3つです。

1. どのリードを営業に引き継ぐのか

最初に決めるのは、営業に引き継ぐ条件です。

例えば、次のような条件が考えられます。

  • 従業員数や業種など、対象企業の条件に合っている

  • 料金ページや導入事例など、検討に関係するページを閲覧している

  • 資料請求や問い合わせなど、具体的なアクションがある

  • 直近の一定期間に複数の行動がある

  • 過去に営業が対応したことがなく、現在も商談が進んでいない

ただし、すべての条件を満たす必要があるのか、一部を満たせばよいのかによって、対象となるリードの数は変わります。

また、単に「スコアが何点以上」と決めるだけでは、営業がなぜそのリードに連絡するのか分からないことがあります。

例えば、「スコアが50点以上」という条件だけでなく、「対象企業に所属し、直近30日以内に料金ページを閲覧したリード」というように、営業が判断しやすい条件にすることも有効です。

条件を決める際には、過去に商談化したリードが、商談前にどのような行動を取っていたのかを見ると、判断しやすくなります。

2. 引き継いだリードに、いつまでに連絡するのか

次に決めるのは、営業が対応する期限です。

例えば、問い合わせをした人と、過去に資料をダウンロードした人では、連絡するまでの時間を同じにする必要はありません。

問い合わせのように本人から連絡を求めている場合は、できるだけ早く対応する必要があります。一方、過去に資料をダウンロードしただけの人であれば、直近の行動や検討状況を確かめたうえで連絡するほうがよい場合もあります。

そのため、すべてのリードに同じ対応期限を設定するのではなく、引き継ぎ条件に応じて期限を分けることも考えられます。

例えば、次のように決めます。

リードの状態 対応期限の例
問い合わせ・デモ依頼 当日中
料金ページの閲覧や複数回の行動 1営業日以内
資料ダウンロードのみ 他の行動や属性を確かめてから判断

上記はあくまで設定例です。実際の期限は、商材の検討期間や営業体制に合わせて決めます。

期限を決めておかないと、営業に引き継いだ後の対応が担当者任せになり、マーケティング側も対応状況を把握できません。

3. 商談にならなかったリードを、どう扱うのか

営業に引き継いだリードが、すべて商談になるわけではありません。

連絡したものの時期が早かった、担当部署が違った、予算がなかった、すでに他社製品を導入していたなど、商談にならない理由はいくつもあります。

ここで決めておきたいのが、営業からマーケティングに戻す条件です。

例えば、次のように整理できます。

営業の対応結果 その後の扱い
今は導入予定がない 検討時期に応じてナーチャリングに戻す
情報収集段階だった 関連する資料やセミナーで情報提供を続ける
対象となる部署・企業ではなかった 対象外として管理する
すでに他社製品を導入していた 再検討の可能性があるかを確かめる
連絡が取れなかった 連絡回数や期間を決めて再対応する

重要なのは、商談にならなかったという結果だけで終わらせないことです。

なぜ商談にならなかったのかが分かれば、次に営業へ引き継ぐ条件を見直す材料になります。また、時期が合わなかっただけのリードであれば、マーケティングに戻して情報提供を続けることもできます。

この3つを決めておくことで、営業への引き継ぎ前から引き継いだ後まで、担当者によって対応が変わりにくくなります。

営業に引き継ぐ条件と対応期限の決め方は、MQLの判定基準の決め方で解説しています。

HubSpotの標準機能で、どこまで対応できるか?

営業に引き継ぐ条件や対応期限が決まったら、次はHubSpotでどこまで自動化できるかを確かめます。

HubSpotには、条件に合ったリードへの通知やタスク作成、スコアリングなどの機能があります。ただし、利用できる機能は契約プランによって異なります。

機能 できること プランの条件
ワークフロー 条件に合ったリードの担当者への通知、タスク作成、プロパティの更新など 条件を組み合わせて使うワークフローはProfessional以上。Starterで使えるのは、メールやフォームを起点にしたシンプルワークフローのみ
手動設定のリードスコア 属性や行動に点数を付け、合計点を確かめる。時間が経過した行動の点数を下げる設定も可能 コンタクトスコアはMarketing Hub Professional以上
AIによるスコアリング 過去のコンタクトデータをもとに、AIがスコアの条件を作成する Marketing Hub Enterprise。作成には転換したコンタクト25件、転換していないコンタクト25件以上が必要
成約の予測(Likelihood to close) 90日以内に顧客になる見込みをHubSpotが計算する Marketing Hub EnterpriseまたはSales Hub Enterprise

※プランや利用条件は変更される場合があります。導入・設定時にはHubSpot公式ヘルプで最新情報を確かめてください。

ワークフローでできること

ワークフローを使えば、あらかじめ決めた条件に合致したコンタクトに対して、担当者への通知やタスクの作成を行えます。

例えば、次のような流れです。

  • 対象企業の条件に合致している

  • 直近30日以内に料金ページを閲覧している

  • 一定のスコアを超えている

  • 営業担当者に通知を送る

  • 営業担当者に連絡タスクを作成する

このように設定すれば、マーケティング担当者が毎日リストを確かめて営業に連絡する作業の一部を自動化できます。

ただし、条件に合致するリードが多すぎる場合は、通知やタスクが増え続けます。営業が対応できる件数を超えていれば、通知を自動化しても未対応のリードが増えるだけです。

スコアリングでできること

スコアリングを使えば、属性や行動に応じて点数を付け、営業に引き継ぐ候補を絞り込めます。

例えば、対象企業に所属している人に加点し、料金ページの閲覧や資料請求などの行動にも点数を付けます。一定の点数を超えた人をリスト化し、営業に通知することもできます。

ただし、スコアは設定した条件に基づいて計算されます。点数が高くても、商談につながるとは限りません。

スコアの高い人が実際に商談化しているか、反対にスコアが低い人から商談が生まれていないかを定期的に確かめる必要があります。

また、AIによるスコアリングを利用できるプランであっても、過去のデータだけで現在の営業方針や顧客の検討状況をすべて判断できるわけではありません。算出されたスコアが営業活動に役立っているかは、実際の商談結果と照らし合わせて確かめます。

営業に引き継いだ後の状況を、HubSpotに残す

通知やスコアリングと合わせて、営業に引き継いだ後の状況をHubSpotに記録することも重要です。

標準のコンタクトプロパティでは、例えば次の項目を使えます。

  • コンタクトの所有者: 誰が対応するのか

  • ライフサイクルステージ: リード、MQL、SQL、商談、顧客など、マーケティング・営業上の段階

  • リードステータス: 新規、対応中、接続済み、商談など、営業活動の状況

営業に引き継いだタイミングで担当者やステータスを更新し、連絡した結果も記録します。商談にならなかった場合は、その理由や今後の対応も残しておきます。

こうした記録があれば、営業に引き継いだリードのうち何件が連絡され、何件が商談になったのかを確かめられます。

逆に、通知を送っただけで、その後の状況が分からなければ、スコアや通知条件を見直すことは難しくなります。

HubSpotの機能だけでは判断しきれないこと

ここまで紹介した機能を使えば、営業に引き継ぐ条件を設定し、通知やタスクを作成するところまでは対応できます。

一方で、次のような作業は別途考える必要があります。

  • 条件に合致したリードが多い場合、今日どのリードから連絡するかを決める

  • 過去の行動と直近の行動を見比べ、今の検討状況を判断する

  • 同じ企業に所属する複数の担当者の行動を合わせて確かめる

  • スコアや通知条件が、実際の商談化率・受注率に合っているかを確かめる

  • 営業の対応結果をもとに、翌月以降の選定条件を見直す

これらは、ワークフローを設定すれば自動的に解決するものではありません。

HubSpotの機能で選定作業の一部を自動化したうえで、日々の候補を誰が確かめ、どのように優先順位を付け、結果をどう見直すのかを決めておく必要があります。

リードスコアで足りるかどうかと、点数を付けたあとに残る作業はHubSpotのリードスコアで足りる会社、足りない会社で、条件に合ったリードの中から今連絡する相手を選ぶ手順はリードの優先順位の決め方で解説しています。

毎日の選定を仕組みにしなくてもよいケース

ここまで読むと、リードの選定をすぐに自動化したほうがよいと思うかもしれません。しかし、すべての企業に必要なわけではありません。

例えば、次のような場合は、まず現在の運用を続けながら、条件や記録方法を整えるだけで十分なことがあります。

  • リードの件数が少なく、担当者が毎日すべての候補を確かめられている

  • 営業やインサイドセールスが、引き継がれたリードにほぼ全件連絡できている

  • 営業に引き継ぐ条件そのものが決まっておらず、まずは営業とマーケティングで基準を作る必要がある

  • 展示会での名刺交換など、一度きりの接点が中心で、Webサイトやメールの行動履歴がほとんどない

  • 営業に引き継いだ後の結果が記録されておらず、現在の条件が有効かどうかを判断できない

特に、営業に引き継ぐ条件が決まっていない段階で、選定を自動化しても効果は限られます。

どのリードを営業に引き継ぐのかが曖昧なままでは、仕組みを作っても、営業が対応すべき相手を選べないためです。

また、営業が対応できる件数に余裕があるなら、無理に選定を自動化する必要もありません。まずは営業に引き継ぐ条件と、その後の結果を記録するところから始めます。

自動化を検討するのは、人の手で続けている選定作業に時間がかかり、候補を見る作業や優先順位付けが追いつかなくなってからでも遅くありません。

毎日の選定を仕組みにするときは、何から始めればよいか?

リードの件数と営業体制を確かめ、毎日の選定が難しくなっていると分かったら、次の順番で進めます。

Step.1:商談になったリードの行動履歴を確かめる

最初に、直近数か月で商談になったリードを確かめます。

HubSpotに残っている履歴から、商談になる前にどのような行動を取っていたのかを調べます。

例えば、次のような情報です。

  • 最初に接点を持った時期と流入経路

  • 資料請求やセミナー参加の有無

  • 閲覧していたWebページ

  • メールの開封やクリックの状況

  • 直近で行動が増えた時期

  • 所属企業の業種、従業員数、部署、役職

商談になった人に共通する行動が見つかれば、営業に引き継ぐ条件を考える材料になります。

ただし、特定の行動が商談の前に発生していたからといって、その行動が商談の原因だとは限りません。行動履歴だけで判断せず、営業が実際にどのような経緯で商談になったのかも確かめます。

Step.2:営業が1日に対応できる件数を確かめる

次に、営業やインサイドセールスが、1日に何件のリードへ連絡できるのかを確かめます。

例えば、営業担当者が3人いて、それぞれが1日に5件ずつ新しいリードへ連絡できるなら、1日あたりの対応可能件数は15件です。

これはあくまで計算例ですが、重要なのは、営業が対応できる件数を確かめずに、マーケティング側だけで営業への引き継ぎ候補を増やさないことです。

営業が対応できる件数を超えてリードを引き継いでも、未対応のリードが蓄積されていきます。結果として、本当に優先すべきリードへの連絡が遅れる可能性があります。

Step.3:毎日確かめる候補の一覧を作る

次に、営業が毎日確かめる候補の一覧を作ります。

一覧には、少なくとも次の情報を含めておくと、営業が連絡するかどうかを判断しやすくなります。

  • 氏名・会社名

  • 所属部署・役職

  • 営業担当者

  • 直近の行動

  • 関心を示しているページや資料

  • 過去の営業対応履歴

  • 引き継ぎの理由

単に氏名とスコアを並べるだけでは、営業が連絡する理由を判断できません。

例えば、「スコアが60点だから」ではなく、「対象企業に所属し、直近1週間で料金ページと導入事例を閲覧している」と分かれば、営業も連絡する理由を把握しやすくなります。

Step.4:営業の対応結果を記録する

営業が連絡した後は、その結果をHubSpotに記録します。

連絡が取れたのか、商談になったのか、時期が早かったのか、対象外だったのか。結果を残すことで、マーケティング側も選定条件を見直せるようになります。

特に、商談にならなかったリードについては、その理由も記録しておきます。

スコアが高かったのに商談にならなかった人が多いのであれば、点数の付け方や営業への引き継ぎ条件を見直す必要があるかもしれません。

Step.5:月に一度、条件と結果を照らし合わせる

最後に、毎月、営業に引き継いだリードの結果を確かめます。

例えば、次のような数字を確かめます。

  • 営業への引き継ぎ件数

  • 営業が連絡した件数・割合

  • 商談になった件数・割合

  • 受注につながった件数・割合

  • 営業に引き継いだものの、対象外だった件数

  • 営業からマーケティングに戻した件数

これらを見ると、営業に引き継ぐ条件が広すぎるのか、狭すぎるのか、営業の対応が追いついていないのかを見分けやすくなります。

この一連の作業を、担当者が毎日手作業で続けるのか、HubSpotの機能で自動化するのか、あるいは専用の仕組みを使うのかを、件数と人数に合わせて判断します。

Step.1で行動履歴を見る前に、HubSpotの記録が比較に使える状態かを確かめる方法はHubSpotのデータを分析に使う前に確かめることで解説しています。

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まとめ:リードの件数だけでなく、選定と対応を続けられる体制があるか

HubSpotを活用するうえでは、フォームやワークフローの設定だけでなく、集まったリードをどのように選定し、営業と連携して対応するかも考える必要があります。

リードが増えた後に、どのリードを営業に引き継ぐのかを選ぶ作業が追いつかなくなっていたり、営業が対応できる件数を超えていたり、引き継いだ後の結果がマーケティングに戻ってこなかったりすることがあります。

まずは、次の6つを確かめてみてください。

  • 営業に引き継ぐ候補となるリードは、毎月何件発生しているか

  • 選定や連絡を担当する人は何人いるか

  • ワークフローの通知は、実際にどれだけ見られ、対応されているか

  • 営業に引き継ぐ条件は、営業とマーケティングで共有されているか

  • スコアや条件を定期的に見直す担当者がいるか

  • 営業に引き継いだ後の結果が、HubSpotに記録されているか

そのうえで、営業に引き継ぐ条件、対応期限、マーケティングに戻すルールを決めます。

HubSpotの標準機能で通知やタスクを作ることはできますが、候補が増えたときにどのリードから連絡するのか、現在の条件が商談につながっているのかを確かめる作業は残ります。

大切なのは、リードを集める仕組みを作って終わりにしないことです。集まったリードのなかから、今連絡すべき相手を選び、営業が対応し、その結果を次の選定に生かす。この流れを、今の件数と営業体制で無理なく続けられるかを確かめることが、HubSpotを活用するうえで重要になります。

よくある質問

HubSpotのワークフローだけで、営業に引き継ぐリードを決められますか?

条件に合ったコンタクトへの通知やタスク作成は可能です。例えば、対象企業の条件とWebサイトの行動を組み合わせて、営業に通知できます。

ただし、条件に合うリードが多すぎる場合、今日どのリードから連絡するべきかという優先順位までは、ワークフローだけで判断できません。また、設定した条件が商談につながっているかどうかも、別途確かめる必要があります。

リードが何件くらいになったら、選定を自動化したほうがよいですか?

一律に決められる件数の基準はありません。

月に数百件のリードがあっても、複数人で分担して見て対応できるなら、手作業で問題なく運用できる場合があります。一方、件数が少なくても、担当者が一人でマーケティング業務と営業対応を兼務していれば、選定が追いつかなくなることがあります。

件数だけでなく、担当者が毎日すべての候補を確かめられているか、選定にどれだけ時間を使っているかを基準に判断してください。

営業がHubSpotの通知を見なくなっています。何から見直せばよいですか?

まずは、通知件数と、実際に営業が連絡した件数を確かめます。

通知が多すぎる場合は、商談につながりやすい条件に絞り込みます。また、通知を受け取った後、いつまでに連絡するのかを営業と決めておくことも必要です。

通知を送る仕組みだけでなく、営業が対応した結果を記録するルールも合わせて見直してください。

Marketing Hub Professionalで、AIによるスコアリングは使えますか?

本記事で扱っているHubSpotのプラン条件では、AIによるコンタクトスコアの作成にはMarketing Hub Enterpriseが必要です。Professionalでは、属性や行動に対して自分で条件と配点を設定するスコアを利用できます。

なお、機能や利用条件は変更される場合があります。最新の内容はHubSpot公式ヘルプで確かめてください。

営業に引き継いだリードが商談にならなかった場合、どうすればよいですか?

商談にならなかった理由を記録し、その後の扱いを決めます。

例えば、導入時期が先であればマーケティングに戻して情報提供を続ける、対象企業ではなければ対象外として管理する、連絡が取れなかった場合は一定期間後に再度連絡する、といった対応が考えられます。

商談にならなかった理由を記録しておけば、営業に引き継ぐ条件が適切だったかを振り返ることができます。営業に引き継いで終わりにせず、その後の結果を次の選定に生かすことが大切です。

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株式会社Sells up 代表取締役 武田大
株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。デジタルマーケティングエージェンシーを経て2023年に株式会社Sells upを設立。戦略設計・KPI設計を起点に、リードジェネレーション、ナーチャリング、MA/SFA活用、営業連携までBtoBマーケティングを一気通貫で支援。KGI逆算のKPI設計やリードスコアリングの統計的設計、営業連携SLAの構築を強みとし、業界・規模を問わず100社以上に提供。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。
保有資格Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop Specialist
専門領域BtoBマーケティング/リードジェネレーション/リードナーチャリング/マーケティングオートメーション/HubSpot導入活用支援/Account Engagement導入活用支援/Marketo活用支援/インサイドセールス/統計解析によるスコアリング設計/商談化率向上/マーケティングROI改善